大型トラックの免許を取得しようかな、とお考えの方なら知っておきたいダンプカーの給料とお仕事。
街中を見渡すと結構走っているダンプカーですが、運転している方をよく見た事ありますか?
意外に悪い印象をお持ちの方が多い様なのですが、そんな怖い方ばかりではありませんよ。
もちろんトラック運転手という職業柄、人相の悪い方や、なぜか汚く見える方も居る事は確かです。
ダンプ運転手は、その割合が少し多い様な気がしますが、全員がそうでないと言う事だけ知っておいてください。
なぜダンプ運転手は、他のトラック運転手に比べてそういった方の割合が多くなるのか、その疑問が晴れる事はありませんが、見た目は怖くてもみなさん良い人ばかりですよ。
良い人というと少しぼやっとして分かりにくいのですが、ダンプ運転手として働いているだけでも、ちゃんとしていると思いませんか。
今回は、そんな怖い方が少しばかり多いダンプ運転手のお仕事の内容や給料についてご紹介します。
大型トラック運転手のひとつダンプ運転手の仕事内容は楽なのか
ダンプというトラックをご存知の方がほとんどだと思いますが、ご存じない方のためにダンプを少しだけ解説します。
ダンプトラックは、荷台に乗せた砂や砂利、土などを荷台を傾けて排出する事が出来る車です。
もともとダンプ(dump)とは『(荷物などを)どさっと降ろす』という意味の英語で、ダンプトラックはその排出する様子がこの言葉に似ているために、ダンプと呼ばれるようになったと言われています。
通常のダンプトラックの排出方向は後方ですが、左右に傾き排出できるものもあります、さらには、後方のあおりが通常上付き下開きなのに対して、下付き上開きで後ろから積荷を降ろす際に後方がフラットになるものもあり、その積載物によって使い分ける必要があります。
ダンプトラックの主な種類
ダンプトラックは主に2種類あります。細かく分けると色々な種類がありますが、ここでは2種類に大別してます。
ひとつは、砂、土、砂利などを運ぶあおりの低いダンプトラック。
もうひとつは、土砂等以外の飼料、消石灰、石灰、コークスなど、少し軽めのものを運ぶあおりの高いダンプトラックです。
この2種類がそこら辺を多く走っているダンプトラックのほとんどを占めています。
ダンプトラックの主な仕事内容(低いあおり編)
低いあおりのダンプトラックの主な仕事内容は、以下の様な流れです。
ちなみにこの仕事内容は、実際にあおりの低いダンプトラックで働いていた時の仕事内容です。
- 午前06時30分:出社
- 午前07時00分:積込み場到着
- 午前08時00分:真砂土積込み完了
- 午前09時00分:1回目荷卸し
- 午前10時00分:真砂土積込み
- 午前11時00分:2回目荷卸し
- 午後12時00分:お昼ご飯の為停車(弁当持参)
- 午後01時00分:昼休み終了の為出発(きっちり1時間休む)
- 午後01時30分:真砂土積込み
- 午後02時30分:3回目荷卸し
- 午後03時30分:真砂土積込み
- 午後04時30分:4回目荷卸し(荷卸し現場終了が午後5時なので終了)
- 午後05時00分:自社アスファルトガラ置き場で積込み
- 午後05時30分:自社アスファルトガラ荷卸し
- 午後06時00分:退社
ざっくり書くとこんな感じですが、同じ現場に何台もダンプトラックは入ってきますので、荷卸しの待ち時間や積込みの待ち時間があるので、この様に時間通りに進むことは滅多にありませんが、こんな感じと思ってもらえればいいと思います。
また、これは日中のお仕事で、夜間工事なども年度末には増加しますので、夜間配送も多くあります。
この通常パターンのお仕事が1年のほとんどを占めているので、想像ができる方だと『楽そうだ』と思うかもしれませんが、はっきりいって『楽』です。
ダンプトラックの主な仕事内容(高いあおり編)
高いあおりのダンプトラックの主な仕事内容は、以下の様な流れです。
ちなみにこの仕事内容は、実際にあおりの高いダンプトラックで働いていた時の仕事内容です。
- 午後06時00分:出社
- 午後06時30分:積込み場所に向け出発(片道約300km)
- 午前01時00分:積込み場所に到着(ベタ移動の為約6時間かかる)
- 午前02時00分:夜食を食べて就寝(トラックのベッドでグッスリ)
- 午前06時00分:起床し積込み開始(少し特殊な産業廃棄物)
- 午前07時00分:積込み完了後出発
- 午後02時00分:特殊焼却炉にて荷卸し(ダンプなので早い)
- 午後03時00分:帰社(車両点検、グリスアップ)
- 午後04時00分:退社
- 午後06時00分:出社(また1から)
ざっくり書くとこんな感じですが、この会社は自社で産業廃棄物を焼却できる焼却炉を持っていたので、この仕事があったのだと思います。
通常の深ダンプは、夜間移動もありますが、日中がほとんどと思われます。
この夜間配送のお仕事は、ダンプのお仕事にありがちな雨天中止というものはありませんでしたので、土曜日の午後4時に終わって、日曜日の午後6時開始と、ほとんど休みと言われるものはありませんでした。
この仕事を想像してみて、『楽そうだ』と思う方と、休みが無いから『きつそうだ』と思う方がいるかも知れませんが、はっきり言って『楽』です。
日曜日とか祝日とか、盆休み、正月休み、ゴールデンウィークやシルバーウィークなんて、そもそもなければ何の抵抗もありません。さすがに、サラリーマンの様に、土日祝日の週休二日制から、休みなしの仕事に就くと少々厳しいかも知れません。
それなのに、なぜ『楽』と言えるのでしょう。
なぜ楽なのか、それはもちろんダンプ(dump)という特性上、体力というか力を使わないからです。
トラック運送業において、そのほとんどは手積み、手降ろしです。
中には特殊なものがあるので一概には言えませんが、求人募集に多く出ている大型トラック運転手は、そのほとんどが体力や力を必要とします。
ではそんなに楽なダンプトラックの仕事を、他のトラック運転手が選ばない理由はなんなのでしょう。
それは、ダンプトラックという仕事の特性上、安定した給料が望めない事が多いという欠点があります。
大型トラック運転手のひとつダンプトラック運転手の給料とボーナス
トラック運転手の給料は高いというイメージがあるとは思いますが、そのイメージは間違ってはいません。
ただし、それは会社の規模や、運んでいる荷物の種類や走っている距離などさまざま要因を含んで考えないといけません。
その中でも、ダンプトラックの運転手の給料というと、はっきり言って低いです。
それは、ダンプトラックを主にしている会社自体が小さい事、ダンプトラックの仕事内容が特殊であると言う事が考えられます。
ダンプトラック運転手の給料
ダンプトラック運転手の給料は、日給月給で多くて25万円程度、通常20万円位が支給総額になると思っていていいでしょう。
ちなみに、日給1万円が普通、日給1万2千円が高め、8千円が低いという相場になります。
日給1万2千円程度欲しいのであれば、関東圏で探すと見つかると思います。
日給1万円程度欲しいのであれば、地方でも都会と言われる位の人口がいる所ですね。
日給8円円程度のところは、地方でも田舎の方にはありますが、おススメしません。正直家族を養うには少々厳しいと思います。
日給というのが少しダンプトラックの仕事の特殊な所で、道路や施設、土地整備などでダンプトラックは非常に活躍しますが、そういった現場は『雨天中止』になることがあり、雨が降ったら仕事がお休みになってしまう点が問題です。
ダンプトラックを主としている会社の場合、雨天中止になると運転手は休みとなり給料が発生しなくなります。
個人的には仕事が休みになると嬉しいのですが、家計には厳しいのは確かです。
そんな時に、会社が自社の仕事を持っているとダンプトラックの運転手も自社の仕事で休みを免れる事があります。
できれば会社が自社の仕事を持っていて、雨天でも休みにならない会社を探すことをおススメします。
ダンプトラック運転手のボーナス
トラック運手種でボーナスがあるのは、大手企業位ではないでしょうか。
私は聞いたことはありません。中小企業でトラック運転手にボーナスを出しているところはありますが、ほぼ寸志です。
もらっても1回飲みに行ったら吹っ飛ぶ金額しかもらえないと思います。
ちなみに、昇給は無い事がほとんどなので、ダンプトラック運転手が給料に差が出るとすれば、年齢や勤続年数などは関係なく、多くの日数出勤して、雨天中止をどれだけ免れる事が出来るかで給料に差がでると思っていればいいでしょう。
ダンプトラック運転手の個人事業主
これは余談ですが、ダンプトラック運転手を個人(自家用)でやっている方がいます。
要は、どこかの会社に属せずに、自家用車としてダンプトラックを所持し、運送会社の庸車として荷物を運搬する方達です。
運送会社から依頼があって初めて仕事が出来ますので、ある程度仕事を持っている会社と付き合いが無いとやっていけません。
また、自家用車なので、燃料代、タイヤ代、各メンテナンス代、車検、税金など全て個人で支払わなければならないので、仕事を切らさない為にさぼる事はほとんどなく、自家用車なので、非常に丁寧な運転でいつも洗車してキレイにしています。
その様な形でお仕事をしている方の1回の庸車代金は、現在3万円弱と言われており、一昔前の4万円時代に比べるとかなり金額が下がっているのが印象的です。
ただし、個人でダンプトラックを所持している方は、季節ものの農業といった他の仕事を持っている事が多いです。
他の仕事プラス、ダンプトラックの自家用であれば少しは気が楽になるかもしれません。
しかし、事故や故障のリスクを考えると、運転が未熟な方や、メンテナンスできない方が手を出すには少々厳しいかもしれません。
最後に
大型トラックの免許を取得して、まずは大型トラックにのってみたいと言う事であれば、ダンプトラックの仕事はもってこいです。
ダンプトラックの会社が求人を募集している時は、そのほとんどが大型ダンプトラックの募集です。
ただし、大型ダンプトラックが得意とする仕事は、道路工事、建設現場、川や海の護岸工事など、非常に特殊な現場が多く、そのほとんどは、狭小、急坂、滑落、落石等の危険を伴う場所で、そういった場所を基本バックで移動する運転技術を必要とします。
慣れるまでは、非常に運転が怖い場所が多いため、しっかりと教わってから乗車しないと危険です。
ダンプトラックの給料は低いですが、まずは大型トラックに慣れるという目的と、トラックの特性でもある排気ブレーキやバック技術を磨くにはもってこいの仕事です。
ぜひ、ドライバー手袋をして、カッコいいトラック運転手を目指しましょう。