小さな運送会社の元専務がトラック業界を謎解き

運送会社を色々見てきて、トラックも色々乗ってきました。4トンから始まり、大型トラック、大型トレーラーのお仕事もやってきて、それにも飽き足らず小さな運送会社を起業しました。そんな小さな運送会社の元専務が運送業界の疑問や就職、転職に役立つ情報をお届けします。

大型トラック運転手が距離を置いて走りたい乗用車の奇妙な動き

世の中には車の運転が苦手な人がたくさんいますね。

苦手と自覚して車の運転をされている方は、逆に丁寧な運転をしていると思います。

しかし、苦手なのにそれに気づいていない方が、とても困った運転をしていると思います。

大型トラックに乗っているからと言って、決して運転が上手いとは限りませんが、乗用車に比べてはるかに大きい車を運転しているだけあって、車幅間隔や速度間隔などには優れています。

そんな大型トラック運転手から見た挙動不審な乗用車は、とても近寄りがたい存在です。

今回は、大型トラック運転手から見た、できるだけ距離を置いて走りたい乗用車をご紹介します。

あなたの近くに運転が上手い方がいるなら、その人の運転と見比べてみてはいかがでしょう。

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大型トラック運転手は乗用車のどんな動きに注意して走っているのか

大型トラック運転手のお仕事は、毎日明けても暮れても荷主さんから依頼された荷物を、指定の場所へ時間通りに届ける事です。

 

時間通りという部分が大切で、延着は荷主さんにも配送先にも迷惑をかけるので、絶対に避けなければなりません。

 

しかし、大型トラック運転手はとても長い距離を走り続けます。

その時の天気、交通量、事故、道路工事など、到着までにさまざまな障害があり、その障害を、どれだけ上手くすり抜けられるかがとても大切な運転手としてのスキルです。

 

その様なスキルが必要な障害は、いくらなんでも毎日は必要ありません。

しかし、そんな日々を過ごしている大型トラック運転手が、毎日どころか何時間かに1回位の割合で注意するものがあります。

それが、挙動の怪しい乗用車です。

挙動と言っても、後期高齢者が突然暴走しだす様な挙動や、逆送を平然と突っ走っていく挙動ではなく、皆さんも気付いていないだけの、ちょっとした車の動きの事です。

 

挙動の怪しい乗用車の動きを6つ上げてみました

1.ブレーキをちょこちょこ踏む

 男性女性全般に多く、前方に何もなくてもブレーキを踏む人と、前方の車に近づきすぎてブレーキを踏む人がいます。

前方に何もなくてもブレーキを踏む人は、携帯やスマホをいじっていたり、脇見をしていたり、あきれるのは漫画を読んでいたりと、大体運転に集中していない方が多いですね。

前方の車に近づきすぎてブレーキを踏む人は、いわゆるあおり運転ですが、まぁベタづけしているのでいつ前の車がブレーキを踏むか分からないので、接近してはブレーキ、接近してはブレーキの繰り返しをしているようです。

何がどうしたらあおり運転しようと思うのか、全く理解できませんが、前方の車が突然曲ろうとしたらとか、急ブレーキを踏んだらとか、運転手さんが怖い人だったらとか考えないのでしょうか。どれだけの腕っぷしを持っているか分かりませんが、煽った挙句どうしたいのかが分かりません。とにかく煽っている時点で運転技術はありませんね。

 

大型トラックでこの手の乗用車を見かけたら、間違いなく車間距離を開けるか、さっさと抜いてしまいます。

前者の様な行為をする方は、とにかく信号が青になっても進まない、フラフラする、急に加速など、周りの状況が全く見えていない人が多いです。

後者の様な行為をする方は、気の短い人、失う者が無い人、世間を知らない人、言い換えれば汚い言葉も有りますが、とりあえず阿呆ですね。誰も得する事も無ければ、お互いに損する事の方が多いですからね。

これはごくたまにですが、大型トラックや大型トレーラーの免許取り立て(?)が、乗用車を煽っている光景を見る事があります。それを見た瞬間、この運転手は必ず事故起こすだろうなと感じたところでした。プロのドライバーとしては恥ずべき行為ですね。

 

2.なぜかいつも急発進と急制動

 男性中年、高齢者に多く、昔の車の間隔が抜けないのか、常にアクセル全開!フルブレーキング!で助手席の方が前後にユラユラしていました。

この行為は少し前だと色々な車種の車で見かけたのですが、近頃は『プリウス』がダントツですね。

エコカーですよね?あんなに青信号になった瞬間フル加速してエコですか?前方の信号赤ですけどいつになったらブレーキ踏むの?という感じで、はたから見てると相当恐ろしい運転をする方ばかりですね。というか、プリウスが売れすぎて多すぎるから目立つのでしょう。近頃のプリウスオーナーの評判は最悪です。

 

大型トラックでこの手の運転手を見かけたら、さっと先を譲ります。正直早く目線から消えて欲しい存在です。

この様な行為をする方は、車線変更も急激で、ウィンカーも付けない、付けても車線変更0.5秒前とか何をさせても急激ですね。

いずれ追突事故を起こさない事を祈るばかりです。

 

3.常に右車線に寄って走る

 男性中年に多く、特に小さい軽自動車やコンパクトカーがよくやってます。先を急ぐのか車が小さすぎて前が見えないのか、常に車体の右半分は前方の車よりズレています

何でそんなに前が気になるのでしょう。右にズレたことによって前方の確認は出来ましたか?それでどうするの?何ができるの?と問いかけたいです。

この様な動きをする車の運転手の服装を観察すると、軽自動車は汚れまくった作業着で、コンパクトカーは頭ボサボサのスーツの方が多いイメージです。

 

大型トラックに乗っていると、良く運転席のバックミラーにこの手の車が映り込みます。

大型トラックの運転席のミラーには、後方を拡大してみる為の『高速ミラー』を付けている事が多く、半分出ている小さい車の運転手の顔が良く見えます。そんな時、アレ?煽られてる?と思うのですが、半笑いで無視します。

ただし、この手の車が前方にいる時は、車間距離を広く取ります。

この手の挙動をする方は、前方が気になり過ぎて直前が見えなくなることが多く、追突事故を起こすことがあります。

一度、目の前で玉突きしているのを見ているので、少々近づくのは怖いです。

 

4.バックでドアを開けて目視

 男性全般に多く、広いパーキングエリアに駐車させようとバックし始めて、ドアを開けてバックする方がいます。

典型的なバック下手ですね。ドア開けてもバックできるような広いスペースに、あえてドアを開けて後ろや白線を目視する必要性を教えて下さい。

自動車学校で習ったと思いますが、車庫入れ時のバックではミラーと目視だったはずです。初心者マークのバックの方がよほど上手に見えます。もし、ドアを開けたバックがカッコいいと思っているのなら、恥ずかしいのでやめましょう

 

大型トラックでパーキングに駐車中に、ドアを開けてバックしてきた乗用車が、隣に止まっていた軽ボンゴのミラーにドアをこき当ててました。さすがにバック中なのでスピードは出ておらず、軽ボンゴの運転手さんも車に居なかったので大事には至りませんでしたが、乗用車の運転手(その時は中年のおじさん)は、そのまま当て逃げしていきましたとさ。

 

5.カーブで必ず中央線をはみ出す

 男性女性中年に多く、そんなに急なカーブでもないのに、右カーブで必ず中央線をはみ出す方がいます。

峠道を走行する時、上りの右カーブは大体対向車が見えないと思いますが、それでも中央線をはみ出す神経が分かりません。

こちらが下りで左カーブに差し掛かると、目の前に対向車が急に現れる事がどれほど恐ろしいか分からないのでしょうか。

 

大型トラックが峠道を走行する時、道幅は車幅とほぼ同じなので、中央線ギリギリを走行しています。そんな状況の中、対向車に中央線をはみ出されると、逃げ道がありません。

大型トラックの運転手は、もらい事故もペナルティを食らう可能性がありますので、是非とも中央線をはみ出すようなスピードで峠道を走行するのはやめましょう。

どうしてもはみ出してしまう方は、左車線に車の左前方を合わせて走らせる練習をしましょう。

 

6.信号が黄色になると加速する

  男性女性高齢者に多く、特に軽トラが良くやる行為です。

通常の道は法定速度か、それ以下の速度で安全運転というかノロノロ運転なのに、目の前の信号が黄色になったら急に加速して、赤信号になっているのに交差点に突っ込む

正常な運転手であれば、歩行者信号が点滅から赤になった時点で、車道の信号は黄色になる事が想定できますので、それまでに速度調整をして、交差点を通過や停止するのに対して、高齢者の多くは、目の前の信号のみでしか対応できない事が分かります。

もし、知り合いの高齢者にこの様な兆候が見えたら、即時免許返還です。

まだまだ働き盛りのお父さん、子育て奮闘中のお母さん、前途ある若者、未来ある子供たちを犠牲にする前に、まだまだ正気と思っている後期高齢者の方には自主的に返還の決断をして頂きたいものです。

 

大型トラックに乗っていると、乗用車を運転している方が良く見えます。

そんな時に、ノロノロ運転から黄色信号で加速、赤信号で突破していくのは、ほとんど高齢者です。

この手の運転手の行動は、大体同じなのでサクッと抜き去るのが一番です。

接近させて煽ったりしても高齢者さんは前しか見ていませんし、後ろなど見ている余裕も無ければ、見る気もサラサラありません。

もらい事故を食らいたくなければ、そうそうに目線から消えて頂けることを願いましょう。

 

少し、長くなりましたので今回はこの辺で終わります。

 

最後に一言

運転が上手な人は、運転に余裕があります

なので、運転が下手な人は、運転に余裕がありません。

大型トラック運転手だから、運転が上手いなんてことはありませんが、余裕はあります。

大型トラック運転手が走る距離は、相当長いですから、余裕の無い走りをしていたら体が持ちません。

その余裕から自然と安全運転になっていきます。

交通ルールとマナーをしっかり守って、カッコよく余裕のある運転で同乗者を安心させてください