運送のお仕事へ就職や転職したいな、と考えているなら大体の方は大型免許を取得する事が多いです。
もちろん、運送のお仕事でも普通自動車免許でできるお仕事もあります。
代表的なのが軽運送で、荷物が集まるセンターから荷物を積み込み、個人のお宅へ荷物をお届けするというのがメインです。
現在は、ネットショッピングが主流ですので、物量も多く仕事が無くなる事はありません。
しかし、軽運送は個人のお宅へ運ぶので、きめ細やかで丁寧な対応が必要になります。
お客様からのクレームなどが多い運転手は、荷物が与えられなくなる可能性もあります。
軽貨物は、自己資金は少額で開業できるお手軽感もありますが、しっかり下調べをしたうえで考えましょう。
軽運送以外での運送のお仕事には、それなりの運転免許が必要になります。
改正道路交通法により、準中型免許が新設され、2トン車、4トン車などは、準中型免許で良いのか、中型免許がいるのかよく分からなくなってきました。
大手宅配業者で、宅配のお仕事をするなら準中型免許で十分ですが、その仕事からステップアップしようとした時に、上位免許が無いのは、その気持ちをなえさせる要因になりかねません。
もし、運送業界で働こうとお考えなら、中途半端な免許ではなく、限定の無い大型自動車免許を取得しましょう。
運送の世界で働くなら、大型トラックには乗らないと思っていても、大型自動車免許は持っていて損はありませんよ。
さらに、大型自動車免許を取得したら、就職や転職の幅を広げる免許を取得する事をおススメします。
大型自動車免許と一緒に持っておきたい免許は、トレーラーの運転を可能にする『けん引免許』です。
なぜ、大型自動車免許とけん引免許は、一緒に持っておいた方が良いのでしょう。
今回は、そんな疑問を解決したいと思います。
運送会社への就職や転職には大型免許とけん引免許の所持が有利
これから運送業界にチャレンジしようとしているなら、是非とも大型免許は取得してください。
そんな事言われなくても分かってる!という方へもう一つ取得してほしい免許があります。
それが、トレーラーの免許、いわゆるけん引免許です。
けん引免許を取得する事で、選べる運送会社の範囲がかなり広がる事は間違いありませn。
けん引(牽引)免許を必要とするものは?
けん引免許は、車両総重量が750kgを超える車(被牽引車)をけん引する時に必要な免許です。
良く見かけるけん引車は、運転席のみの車に荷台がつながったセミトレーラーや、普通のトラックにさらに荷台がつながったフルトレーラーと言われるもので、その連結部分で分離できる仕組みになっています。
運転席をトラクター(牽引車)やトラクタヘッドまたはヘッドと呼び、荷台はトレーラー(被牽引車)と呼ばれています。
セミトレーラーと呼ばれる牽引車が一般的に良く見かける牽引車で、そのお仕事と言えば『コンテナ・タンクローリー・キャリアカー・ダンプトレーラー』などが見た目に分かり易いと思います。
また、フルトレーラーと呼ばれる牽引車のお仕事と言えば『配合飼料・ダンプトレーラー・コンテナ』などですが、トラックに興味が無い方にはセミトレーラーとの見分けが付きにくいと思います。
その他のトレーラーでは、橋げたやレールなどの短く分解できない長尺物を運ぶために、荷台の長さが変えられるポールトレーラーというものもあります。
少し興味深いのが、福山通運さんが日本で初めて導入した『ダブル連結トラックバン型フルトレーラー』です。
通常フルトレーラーは、普通のトラックに短めのトレーラーをつなげてけん引しますが、このダブル連結は、普通のトラックが同じ長さの荷台をつなげてけん引するという、ものすごく長いフルトレーラーなのです。
運送業界にいて、尚且つトレーラーに興味のある方にとって、このニュースには興味深々だったと思います。
コチラのLNEWSさんのサイトが詳しく書かれています。
けん引免許を必要とする車の事はご理解頂けましたでしょうか。
何となくでもご理解頂けたら、車両総重量750kg以下のトレーラーをけん引しても、けん引免許は必要無い事は分かると思います。
例えば、バス釣り用のアルミボートや水上バイク等は、小さいものであればけん引免許を必要としません。
ちなみに、車にトラブルが起きて、動かせなくなった時に車同士をロープでつないでけん引する時も、けん引免許は必要としません。
けん引(牽引)免許の取得条件と取得方法は?
まずは、けん引免許の取得条件。
項目 | 詳細 |
---|---|
年齢 | 満18歳以上 |
視力 | 視力が両眼で0.8以上、かつ、一眼でそれぞれ0.5以上 |
色彩識別能力 | 赤・青・黄色の識別ができること |
深視力 | 三桿法の奥行知覚検査器により3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下であること |
聴力 | 10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえるものであること(補聴器により補われた聴力を含む) |
資格 | 大型、中型、準中型、普通、大型特殊免許のいずれかの免許を取得している方 |
以上の条件を満たせば、誰でも取得する事が可能です。
次に、けん引免許を取得する方法。
種類 | 内容 |
---|---|
一発試験 |
運転免許試験場へ直接受ける方法です 試験を受ける手数料は、6,550円です (受験料2,950円、試験車使用料1,550円) ※合格した場合は、免許証交付料2,050円が必要 技能試験のみで、100点満点の減点方式、70点で合格 1回で合格する可能性は低いので、その都度受験料と試験車使用料がかかります 試験内容で特に注意する点は『車庫入れ』で、ヘッドとトレーラーの微妙な折れ具合が合格のカギを握る |
公認自動車学校 |
自動車教習所に通い、教習を受けながら取得する方法です 基本的に他の免許を所持しているので学科は無し、技能は12時間行います。 費用は最寄りの自動車教習所に確認する事が必要ですが、約16万が一般的です 教習を終える事で確実に免許を取得できるが、費用が高いのが難点 教習中に車庫入れの練習ができるので、実践に役立つ |
この他にも『合宿免許』もあるようですが、けん引免許取得に合宿は必要ないと思います。
運送会社は採用条件が未経験可でもトレーラーは経験者のみ
これから運送業界を目指す方は、もちろん大型トラックの運転経験はないと思います。
もしかすると、大型より小さい中型や準中型の様な、8トン車や4トン車も運転したことないかも知れません。
就職や転職の為に、条件の良い運送会社を探していると、採用条件に『未経験可』となっていたら、安心して申込みできますね。
しかし、その運送会社の募集対象は、10トンクラスの大型トラック運転手の募集ではありませんか?
ほとんどと言って良い位、トレーラーの運転手募集で『トレーラー未経験可』とは書いていないと思います。
それだけトレーラーの運転は技術が必要で、その技術を身に着ける為には経験が必要と言う事です。
それならトレーラーを運転したことが無い人は、永遠にトレーラーを運転する事が出来ないのでは?と思うかも知れませんが、それがまさに、けん引免許を取得しておいた方が良い理由です。
もし、トラックの運転が未経験の方が、いつかはトレーラーに乗りたいのであれば、就職や転職する運送会社がトレーラーを持っている事が必要です。
もちろん最初から、トレーラーの運転手として働かせてくれる事は無いと思いますので、まずは大型トラック運転手として働かせてもらう事から始めましょう。
大型トラック運転手として働かせてもらえるなら、第一段階は乗り越えられました。
そこから、大型トラック運転手として、経験値を上げていくのですが、もちろん交通違反や、交通事故を起こしてはいけません。
そして、真面目に仕事をこなし続け、信頼される運転手となるまで頑張ってみましょう。
会社から信頼される運転手となれば、第二段階も乗り越えられました。
後は、最終段階(最終ミッション)です。
最終段階は、無事故無違反で真面目に運行をこなし、信頼される運転手として君臨しましょう。
そして、トレーラー運転手に空きが出るのをひたすら待ちます。
定年退職者や転職者によって、トレーラー運転手に空きが出て、かつ次のトレーラー運転手として指名されれば、最終ミッション完了です。
この様に、大型トラックの運転が未経験の方がトレーラー運転手になる為には、かなりの努力が必要です。
しかし、未経験から経験を積むためには、この方法位しか無いと思います。
そのためには、大型トラック運転手の募集をしていて、トレーラーを所持している運送会社を見つけましょう。
そこがトレーラー運転手として働くための第一歩になるでしょう。
最後に
運送業界は慢性的な人手不足です。
運送業界以外の方が、トラック運転手として転職してくるのは、運送業界にとっては朗報です。
せっかく新しい道へ挑戦するのであれば、準備万端で飛び込むことをおススメします。
まずは大型免許、次にけん引免許を取得して、乗れないトラックは無いというレベルにしておきましょう。
それが、就職や転職の幅を広げてくれますので、これからのあなたには力強い味方ですね。
ぜひ、大型トラックの運転手になれた暁には、トレーラー運転手になる事を意識してください。
それだけでも、安全運転となり交通事故の防止に役立てる事と思います。
これから楽しいトラックライフを送れる事をお祈りしています。