小さな運送会社の元専務がトラック業界を謎解き

運送会社を色々見てきて、トラックも色々乗ってきました。4トンから始まり、大型トラック、大型トレーラーのお仕事もやってきて、それにも飽き足らず小さな運送会社を起業しました。そんな小さな運送会社の元専務が運送業界の疑問や就職、転職に役立つ情報をお届けします。

運送業界への就職や転職は大手運送会社のドライバーが良い?

これから初めて運送業界の扉を叩こうとしている方は、運送会社を色々探していると思います。

希望の給料、勤務時間、休日を重視して、ピッタリ合うもの探し当てましたか?

もし、希望にピッタリの運送会社が見つかったら、次は仕事内容をみていますか?

初めて運送業界に飛び込む方は、必ず仕事内容をしっかりと確認しましょう。

トラック運転手として働くうえで、最も大変なのが『積込み』と『荷下ろし』です。

求人募集の仕事詳細に『パレット仕事』や『手積み手降ろし無し』なんて書いてあったら、即行エントリーしてみましょう。

 

運送会社へ面接に行ったら、求人募集の内容と相違ないか、必ず直接担当者に聞き込みをしましょう。

面接へ行って、希望する内容がほぼ網羅できているのを確認できれば、最後に大手運送会社の仕事かどうかの確認が必要です。

その会社の雰囲気も分かり、ほぼ希望する内容通りの雇用体制、そこまで問題なければ、できるだけ長期間、できれば定年まで働きたいのが本音ですね。

 

大手運送会社のグループ会社などが、運送業を営んでいれば、トラック運転手として長く働き続けることができるかもしれません。

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運送業界への就職や転職で安定を目指すなら大手運送会社ドライバー

就職や転職は、歳を重ねるごとに厳しくなっていくものですね。

それはどんな業界でも同じです。

採用する会社としては、若ければ若い程良いです。

給料も安く済み、少々の無理も利くので、働いてもらうなら若い方ですよね。

ただし、若すぎて働けないのが運送業界、その中でも大型トラック運転手は、高校卒業後にすぐなれる職業ではありません。

働き盛りの若者を雇えないのは、企業側にとっては困りものです。

なので、大型トラック運転手としてではなく、2トンや4トンの運転手として雇い入れ、年齢や経験が伴ったら大型免許を取得させ、大型トラック運転手として働いてもらう事が多いのです。

 

しかし、2トンや4トンは給料が少々少ないので、大型トラック運転手になる前に辞めてしまう事が多い様です。

大型トラック運転手まで育たないと、大型トラック運転手不足を起こしてしまいます。

そこに転職者の道が生まれます。

 

大型トラック運転手になる為には、大型免許が必要ですので、まずは免許取得を目指しましょう。

自動車免許を取得して3年経過している21歳以上の方は、一発試験でも教習所でも取得できます。

運送会社に入ってから、会社の補助で大型免許を取得する事も出来ますが、転職時の優位性から考えると、取得しておく事に損は有りません。

 

大型免許さえ取得してしまえば、狙うは大手運送会社です。

大手運送会社は、運転手の募集を臨時で行う事は、ほぼ有りません。

試しに、大手運送会社の求人で、インターネットで探してみて下さい。

 

はたらいくで大手運送会社の求人情報を検索!

 

どうでしょう、大手運送会社は見つかりましたでしょうか?

どちらかと言うと、大手企業の荷物を運んでます!的な運送会社が出てきませんか?

実際に大手運送会社をインターネットで検索する時は、『運送会社名 求人』と探してみると出てきます。

特に、物流系のお仕事を多く掲載している求人サイトは『はたらいく』です。

 

大手運送会社の売上高ランキング、1位から10位まで

順位 会社名 売上高(億円)
1位 日本通運 19,091
2位 日本郵政 18,946
3位 ヤマトHD 14,164
4位 日立物流 6,803
5位 セイノーHD 5,554
6位 山九 4,894
7位 センコー 4,340
8位 近鉄エクスプレス 4,202
9位 福山通運 2,545
10位 鴻池運輸 2,525

 10位まで売上高でランキングを表示しました。

この中のグループ企業や関連企業も含めると、『はたらいく』でトラック運転手の求人が出ていますので、探してみてはいかがでしょう。

会社名にHD(ホールディング)と記載がある時は「運輸」や「運送」に変えて検索しましょう。

大手運送会社は中小の運送会社に比べて何が得なの

デコトラにあこがれて、トラック運転手になったらデコトラにする!という方は、残念ながら大手運送会社には向いてい無いと思います。

下手したら、中小の運送会社も狭き門かも知れません。

デコトラを目指しているのであれば、自家用で所持して、庸車としてお仕事をもらうという選択肢が良いですね。

 

トラック運転手にはなりたいけど、生活も大切、家族も養わないといけない、定年まで働きたいと言った、切実な願いがある方は、できる限り大手の運送会社を目指すべきです。

 

大手運送会社を目指した方が良い理由は、長く働けるという一点です。

給料、勤務体系、年間休日、全てが良い訳ではありません。すべてにおいて悪過ぎないと言う事が重要です。

大手運送会社だけではありませんが、勤続年数のランキングを見てみましょう。

 

大手運送会社の勤続年数ランキング、1位から10位まで

順位 会社名 勤続年数
1位 トナミHD 20.5
2位 日本通運 18.9
3位 丸運 18.9
4位 ニヤクコーポレーション 18.5
5位 タカセ 18.3
6位 丸全昭和運輸 17.4
7位 セイノーHD 17.4
8位 京極運輸商事 17.3
9位 新潟運輸 16.9
10位 日立物流 16.8

10位まで勤続年数のランキングを表示しました。

売上高ランキングにもランクインしている会社も、10位以内にいますね。

売上高ランキングにランクインして、勤続年数ランキング10位以内にいない大手運送会社のほとんどは、30位以内で勤続年数10年以上にランクインしています。

 

勤続年数は、会社を選ぶ時のひとつの目安ではありますが、以外とみなさん忘れがちです。

このランキングの中でちょっと気になるのが、ニヤクコーポレーションさんですね。

ニヤクコーポレーションさんは、タンクローリーのお仕事がメインです。

もし、大型一種・けん引・危険物乙種4類をお持ちなら、エントリーしてみても良いのではないでしょうか。

 

『はたらいく』でニヤクコーポレーションを探す

 

大手運送会社は採用されて正社員になるまでガマンが大切

大手運送会社を目指す方は、まずは採用されることが第一の関門です。

面接にはスーツで出向き、挨拶、言葉使い等、一般的な礼儀を怠らなければ、よっぽどのことが無いと落ちません。

よっぽどの事が気になる方は、何かしら後ろめたいことがあると思いますが、要は免許のキズです。

擦り傷、切り傷ではありませんよ、累積違反点数等の免許の状態です。

採用されれば免許点数は調べられますので、面接の時に嘘ついてはダメですよ。

 

無事に面接を通過し、採用のお知らせが来たら、お仕事開始です。

と言いたいところですが、大手運送会社の悪い所で、遅い所は1ヵ月位先の入社になる事もあります。

家族を養っていたり、生活が苦しい方には、待ち遠しい事この上ないです。

 

さて、無事に入社までこぎつけて、バリバリ運ぶぞーと意気込みます。

ところが、試用期間で適正検査や運転講習、社内研修などなど、トラックに乗る前に会社の社員である事、トラックには会社の看板を背負っている事など、うんざりするほど聞かされます。

 

検収も無事に終え、よーし頑張るぞーと本気を出します。

ですが、試用期間なので、先輩ドライバーの助手席に乗って、先輩ドライバーのやり方を教わり、自分が運転する時は、先輩ドライボーを助手席に乗せてお仕事します。

 

そんなこんなを乗り越えて、晴れて大型トラック運転手として認められます。

それでも、試用期間は続きます。

試用期間は、3か月から12か月までで運送会社によって期間の設定はまちまちです。

試用期間中は、給料も試用期間で設定されている日給なので、正社員の給料よりはずいぶん低いです。

 

試用期間を終え、正式採用され正社員になって初めて、まともな給料がもらえます。

ここまでくれば、後はトラック運転手としてバリバリ走り回るだけと思いますが、実際は、3か月に1回は社内研修が合ったりして、純粋なトラック運転手(運転だけする人)にはなれない事が多いです。

 

要は、これだけの事をガマンさえできれば、安定した給料、時間外勤務手当、週休2日制、福利厚生などが大手運送会社の基準で頂けるようになります。

 

また、大手運送会社には、選任の整備士がいる事が多いです。

なので、トラック運転手が手の込んだ整備をする事は、ほとんどありません。簡単なものは必須ですよ。

これだけの事が会社で受け持てるのは、大手企業の醍醐味です。

正社員になるまでは、面倒に感じたり不安になったりしますが、せっかく採用されたのなら『ガマン』です。

この期間さえガマンすれば、安定というものを手に入れる事が出来るかもしれません。

 

最後に

大手運送会社は、採用されてから正社員になるまでが、なかなか長い期間を要する先が多いです。

さっさと1人で大型トラックに乗りたい方には、研修期間が長すぎると感じる事があり、面倒になって辞めてしまう事もしばしば。

そこはグッとガマンして、せっかくなら正社員になって、安定した給料を手に入れて、楽しいトラックライフをエンジョイしましょう。

ちなみに、大手運送会社の場合は、ハンドルカバーさえも許していない場合が多いので、どうしても自分色にトラックを改装したい場合は、それを許している大手を探す必要がありますよ。