小さな運送会社の元専務がトラック業界を謎解き

運送会社を色々見てきて、トラックも色々乗ってきました。4トンから始まり、大型トラック、大型トレーラーのお仕事もやってきて、それにも飽き足らず小さな運送会社を起業しました。そんな小さな運送会社の元専務が運送業界の疑問や就職、転職に役立つ情報をお届けします。

大型トラック運転手にナビは必要?道に詳しくないけど大丈夫?

方向音痴というのは困ったものです。

ある建物へ入って、あれこれやって建物から出てきたら、行きたい方向と逆に歩き出す。

ウィンドウショッピングを楽しんでたら、なぜか同じ店が何回か現れる。

ご飯を食べに行こうと出発したは良いものの、なぜかいつもの違うお店についてしまう。

 

そんな経験ありませんか?

私は自信を持って方向音痴ではないと言いたいのですが、周りからは相当な方向音痴と言われます。

 

そんなバリバリの方向音痴の方は、車に乗ってドライブに行くときはどういう準備をしていますか?

まずは、行きたい場所の道順を覚える?

 

今は、カーナビゲーションシステムがあるのでそんなことしませんね。

車についてるカーナビもあれば、スマホの地図ソフトでもナビは可能です。

そんなこんなで、方向音痴の方でも、ナビさえあればどこでもいけます。

 

ならば方向音痴の方でも、大型トラック運転手になって長距離運転も可能なのでしょうか。

そんな疑問をお持ちの方へ、方向音痴の長距離トラック運転手が解決方法をご紹介します。

 

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長距離トラック運転手はナビが必需品、慣れてしまえばナビいらず

大型トラックのお仕事で、最もキツイ仕事と言っても過言ではない長距離運転手。

運送業界に縁もゆかりも無い方にとって、トラック運転手なんて運転するだけじゃね?と思うのは当たり前。

でも、トラックの運転手ってトラックの運転以外に、とてもキツイお仕事があります。

 

それは、荷物の積込みと荷下ろし。

時に、荷物の積込みは想像を絶する時があります。

少し、想像してほしいのですが、カップラーメンをケースで買った事ありますか?

お近くのスーパーでもケースでおいてある所を見たことがあると思います。

あのケース、1箱持ってみるとそんなに重くは無いです。それを大型トラックに1箱ずつ積み込んでいくのです。

 

軽いし、そこそこ大きいのでそんなに積むことはできないと思うかも知れませんが、実は、あのケースを大型トラックの、大き目の荷台に積むと、なんとその数『7,000ケース』です。

パズルの要領で上手に積み込むと、7,200ケースは積むことが出来ます。

 

いやー恐ろしいです。

 

7,200ケースを1人で約3時間かけて積むのです。

寒い冬でも汗だくですので、夏場は体中の水分が排出されます。まさに地獄!

そんな事を常にやっていると、たまに訪れるフォークリフトでの積み込みがまさに天国です。

 

忘れてはいけないのですが、積んだ荷物は降ろす必要がありますね。

基本的に手で積んだものは手で降ろすしか方法はありません。

トラックの荷台からラーメンのケースを降ろす時のお作法は、準備されたパレットにキレイに積みながら降ろすのです。

ボンボン投げて降ろせるなら少しは楽なのでしょうが、そうは問屋がおろしません。

 

まぁ積込みに比べると降ろす方は少しは楽ですが、降ろしても降ろしてもなかなか最後が見えない事にかなり憂鬱になります。

まさにこれが、トラック運転手のお仕事がキツイと言われる理由です。

 

本当に運転だけする仕事なら、トラック運転手は相当楽です。

もちろんそんな仕事もトラック運転手の中にはありますよ。

 

少し話がそれましたが、こんな大量の荷物を積んで走るトラックは、目的地を目指して走る事が大切なお仕事です。

さらに、指定された時間にきっちり到着する事、どんなに道が混んでいても延着は許されません。

 

方向音痴だから道を間違えましたので、到着が遅くなります。なんて言い訳した時点でクビです。

そんな方向音痴な方でも、道をあんまり知らない方でもちゃんと目的地まで連れて行ってくれるのが、カーナビゲーションシステムいわゆるカーナビですね。

 

カーナビの無い時代、高価な時代は、やっぱり地図です。

その中で、最も使われていたのが『スーパーマップル』ではないでしょうか。

これが長距離トラック運転手としてデビューした時は、片時も離せませんでした。

特に地方出身者が、関東へ初めて荷物を運ぶ時に、スーパーマップル無しで行くなんて有りえません。

 

その理由は2つ。

1つ目は、道が分からないから。

2つ目は、帰りの荷物を積み込む場所の指定が、スーパーマップル関東の何ページのどこどこって指示されたから。

イヤイヤ、スーパーマップル持ってるからそこまで行けますけど、持ってない人にはどうやって教えるの?って不思議だったことを覚えています。

 

そんなトラック運転手のバイブルでもあった、スーパーマップルを手放す時が来ました。

それが、手ごろな価格で発売された『ポータブルカーナビ』『ゴリラ』です。

 当時はこんなに上等なものではありませんでしたが、それでも2万円とちょっとでカーナビが手に入り、ヒマな時にテレビも見れるなんて夢のような話でした。

ゴリラ購入後は、スーパーマップルの出番は余りありませんでした。

 

ですが、完全にスーパーマップルは引退したわけではありません。

なぜなら、カーナビは走行中に道順を教えてくれるのには優れていますが、道順をたどるのには適していません。

 

ここにカーナビの落とし穴がありましたが、カーナビの道順では大型トラックが走行できない場所を通ってしまうのです。

それは仕方の無い事ですね、なにせゴリラは普通乗用車用のカーナビです。

決して大型トラックの為に作られていませんので、大型通行禁止でもドンドン案内してくれます。

 

この欠点を埋めてくれるのがスーパーマップルです。

目的地が決まったら、スーパーマップルでそこまでの道順を大体覚えます。

後は、目的地付近でゴリラがしっかり教えてくれますので、スーパーマップルで見た大型が通行できる道を思い出しながら、目的地を目指すと言った使い方をしていました。

 

このゴリラとスーパーマップルの両立で、長距離トラック運転手としてはほぼやっていけます。

現在のカーナビに関して言えば、道路工事や事故情報、渋滞予測までもしてくれますので、超初心者でも長距離トラック運転手としてやっていけると思います。

 

しかし、さらに時代は進化を遂げ、今やスマホがナビをしてくれる時代となりました。

さらにさらに進化を遂げ、ついに待ちに待った『トラックカーナビ』が出たではありませんか!

それが、ナビと言えば『NAVITIME(ナビタイム)』ですね。

これはスゴイ!しかも嬉しい限りですね。

これは、大型車通行禁止を避け、大型トラックが通りやすい大きな道、さらには大型車トラックが止められる駐車場を持っている施設など、すべてがトラックの為に作られています。

 

もうここまで来ると、さすがにスーパーマップルの出番は無くなってしまうかも知れません。

イヤ、無くなりませんよ。

 

先程も言いましたが、カーナビはあくまでも走行中に道を教えてくれるものですが、道順を覚えるには適していません。

トラックカーナビがあるからと言って、道順を覚えないのはとても危険です。

 

長距離トラック運転手が、カーナビを使うのはあくまでも補助の役目、実際は体が覚えています。

カーナビは機械です。機械の言う事を信用するかしないかは本人次第ですが、多分一番信用できるのは自分の経験値です。

 

スーパーマップルで道順と、通過する県と地名、走る国道の番号(何号線みたいな)は暗記しておきましょう。

その暗記を繰り返し、経験していく事で、カーナビにも勝る道路情報が頭の中に詰め込まれ、いずれカーナビが参考程度のモノになるのは間違いありません。

長距離トラック運転手の求人は『はたらいく』へ

最後に

トラックカーナビの登場によって、長距離トラック運転手のお仕事へ未経験の方でも参入しやすくなりましたね。

方向音痴だからとか、あんまり道を知らないからと、トラック運転手への道を躊躇されていた方は一歩踏み出すことが出来ますね。

だからと言って、カーナビに頼り切るのは止めましょう。

かならずスーパーマップルみたいな地図を手に入れて、日本の北から南まで、トラックで走れる大きな幹線道路はしっかり頭に入れて、いざ出発の時に方向を間違えるようなことが無いように準備しておくことが大切です。

長距離トラック運転手は、とてもキツイ仕事です。サラリーマンからの転職する方は、相当の覚悟を持ってチャレンジしてください。

キツイとわかっていてチャレンジするのと、知らずに迷い込むのとでは全然気持ちの持ちようが違いますからね。

キツイ世界を味わいながら、ゆっくり運送業界の事を知る事で、さらに良い会社へ転職する事も可能になるでしょう。