小さな運送会社の元専務がトラック業界を謎解き

運送会社を色々見てきて、トラックも色々乗ってきました。4トンから始まり、大型トラック、大型トレーラーのお仕事もやってきて、それにも飽き足らず小さな運送会社を起業しました。そんな小さな運送会社の元専務が運送業界の疑問や就職、転職に役立つ情報をお届けします。

トラック運転手の仕事の種類にはきつい汚い給料安いがある?

これから転職しようかと、求人情報を読み漁っている方の中に、トラック運転手を探している方がいるかと思います。

今のお仕事が、ビジネススーツをビシッと着込んで、真っ白なワイシャツに、ピカピカの革靴で誰が見ても出来るビジネスパーソンですね、と思わせる格好でお仕事されているなら、トラック運転手を探す前にぜひ知っておく必要があります。

 

そんなピカピカの格好でお仕事されている方は、トラック運転手になろうとは思わないかも知れませんが、もし、人との付き合いに疲れ、ひとりになりたいと家に閉じこもる位なら、トラック運転手になることをおススメします。

 

トラック運転手のお仕事の大半は、トラックの運転です。

人と話すとすれば、会社でのあいさつ、荷主さんへ積込みに行った際のあいさつ、荷卸し場所へ着いた時のあいさつ位で、トラックを運転している間は、誰ともしゃべる必要はありません。

 

そのトラック運転が長距離ならなおさらの事、ひとりの時間はさらに長くなります。

ヒトとの付き合いが煩わしく感じているなら、大型トラック運転手、さらには長距離トラック運転手になるのは、ベストな選択かもしれませんよ。

 

ただし、ここからが重要。

 

トラックの運転手のお仕事は、ピンからキリです。

ピンに当たってしまった際は、キツイ、汚い、給料安いの最悪な会社に入ってしまう事もあります。

出来るビジネスパーソンが転職して、キツイ、汚い、給料安いの3拍子が、ガマンが出来るとは思えません。

 

失敗しない転職先選びの為にも、少しばかりトラック運転手のお仕事をご紹介します。

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トラック運転手の仕事の種類を選ぶ時はきつい汚いより給料に注力

 トラック運転手のお仕事は色々な種類があります。

その中でもきつい仕事、汚い仕事、給料の安い仕事がそれぞれありますが、この3つすべてを網羅する仕事もあります。

 

この3つをすべて網羅する仕事とは、、、ブラック企業です。

あれ?そんなこと?と思われたらスミマセン。

少し前までは、いくつかあったのですが、今はかなり労働条件の見直しが行われていてすべてを満たすお仕事は、ブラック企業くらいしか見当たりません。

読者様でご存知の方がいれば教えて頂きたいです。

 

少し前までは、ごみ収集車のパッカー車とか、浄化槽の汲み取りを行うバキュームカーといったお仕事は敬遠されがちでしたが、今となっては人の嫌がる仕事は、給料が高くなっていたり、就業時間がしっかり設定されていて、非常に短く快適になっていることが多くなっている様です。

 

この様な職場環境の改善が進み、働きやすくなっている事で、規則正しい就業時間で給料が高めのお仕事は、人気があるわけではありませんが、ひそかにお金を稼ぎたい人達の中では格好のお仕事となっている様です。

 

トラック運転手のお仕事はきつく汚いけど給料が良い?

トラック運転手のお仕事でキツイと言えば、長距離トラック運転手ですが、なぜキツイと言われるのでしょう。

それは、眠たい目をこすりながら、眠ることもできずにトラックを運転し続けるキツさもありますが、それは少しでも眠ること、仮眠を取ることで回復できるキツさです。

 

それ以上に長距離トラック運転手として、キツイお仕事があります。

それはトラックへの積み込み作業、いわゆる手積みといわれるものです。

手積みの荷物は、基本的に箱モノで比較的に軽いものが多いです。

軽いとはいっても荷物としてトラックに積み込むので、その数量は非常に多いです。

 

例えば、宅配業の荷物は、その地区の配送センターから配送センター間を運ぶお仕事があります。

その配送センターからの区間を受け持つのは、大型トラックです。

基本的に宅配業を行っているグループ会社トラックが運びます。

よく見かけるのは、飛脚さん、黒い猫さん、ロゴマークが荷台の箱に描かれているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

今回この2社さんを例に挙げたのは、特に荷物が多いからなのですが、それともう一つ大きな違いがあります。

それが配送センターで荷物を積み込む際の方法です。

先に超大手の黒い猫さんの積み込み方法は、カーゴと呼ばれる荷物を載せる台車の様なものです。カーゴには車輪が付いているのでゴロゴロと自走できるので、積み込みも非常に楽チンです。

配送センターのプラットホームにトラックの荷台を着けると、運ぶべきカーゴがまとめて置いてあります。

それを配送センターの方と一緒にゴロゴロ転がしながら積み込んでいきます。

黒い猫さんの配送センターの方々は、非常に協力的で優しい方ばかりの印象です。

 

次に飛脚さんですが、こちらの積み込み方法は手積みです。

配送センターのプラットホームにトラックの荷台を着け、ローラー付きの滑り台の様なところから荷物が流れてきますので、それをどんどんトラックの荷台に積み上げていきます。

飛脚さんでの積み込みは、基本的に孤独な作業で、ひたすら流れてくる様々な大きさの荷物を、パズルのように組み上げていきます。

この作業文字で書くと伝わりにくいのですが、ローラーから流れてくる荷物は、相当な量が流れてきて、のんびり積み込みしていると溢れるんじゃないかと思うくらいどんどん流れてきます。

通常でもスゴイ量なのに、繁忙期にもなるとそれはそれはすごい量になります。

飛脚さんの積み込みは、体力勝負です。

体力が無い方には絶対にお勧めできません。

 

この様に同じ宅配業者さんでも、荷物の扱い方が全く違います。

荷物の積み込み方が違うという事は、トラック1台に積み込める量も違います。

運ぶ荷物の量が違うという事は、運賃が違うという事になります。

運賃が違うという事は、トラック運転手にとってとても大切なことで、トラック運転手の給料は、低い基本給と、それに水揚げがプラスされます。

 

水揚げとは、運んだ荷物の運賃の何パーセントかを給料に反映する計算方法です。

なので、運賃が高いという事は、給料が高くなるという事になります。

 

もし、長距離トラック運転手になって、高い給料を目指すなら、飛脚さんの荷物を運んでいる運送会社に入ることが必要になります。

しかし、その仕事は相当キツイ。体力的に相当自信がないならやめた方がいいです。

 

できれば、宅配の荷物ではなく、ある決まった会社に定期便として入っているような仕事を持っているところが良いでしょう。

トラック運転手の醍醐味でもある高額な給料は望めませんが、体力はそこそこあればやっていけます。

 

さて、ここまでキツイことを書いてみましたが、汚いことがありませんね。

実際に汚いトラック運転手のお仕事って、実際にやってみるとありません。

現場作業があるもの、庫内清掃があるもので汚れる事はありますが、それは汚い仕事とは呼べません。

どちらかというと汚いというイメージだと思います。

ガテン系のお仕事は、ありがちですね。

トラック運転手で汚いと思うのは、長距離運転中はあんまりお風呂に入らないところですね。

でも、2日か3日に1回は入るので、そんなに汚くはないと思います。

キレイ好きの方で、毎日お風呂に入らないと気が済まない方にとっては汚いと思うかもしれませんが、慣れてしまえばそんなものです。

 

簡単にまとめますと。

  • トラック運転手のお仕事は、キツイです。
  • 作業で汚れる事はあるけど、仕事ってそんなものです。
  • 高額な給料を目指すなら、荷物の量は多く、走行距離は長い仕事をする。
  • 長距離運送をしていると、お風呂の回数は自然に減る。

こんな感じでしょうか。

注意してほしいのは、長距離運送していて荷物も手積み、その量もかなりのものなのに給料が安いのはおかしいです。

もしかしたらキツイ、汚い、給料安いブラック企業かもしれません。

最後に

大型トラック運転手は、あまり好まれる仕事ではありません。

それは、外から見た目で、内側から見た目ではないという事を知っておいてください。

実際にトラック運転手として働いてみるとわかりますが、サラリーマンの頃の様に上司や同僚、得意先の人間関係に四苦八苦することはありません。

ストレスフリーとまでは行きませんが、それに近いものは得られると思いますよ。

キツイや汚いなどと思われがちですが、自分が良ければいいんです。