運送業界は人手不足が叫ばれていますが、トラック運転手にあこがれている人は少なくなってしまったのでしょうか。
一昔前は、トラック野郎の様なデコトラに乗りたくてトラック運転手を目指す方や、頑張れば頑張るほどもらえた高額な給料が目的で、長距離トラック運転手になる方は多かったのですが、いまや慢性的なトラック運転手不足。
さらに高齢化も進み、トラックドライバーの平均年齢は、40代も半ばとなってきました。
このままでは、さらに高齢化となり、50代、60代と平均年齢は高くなり、そのうち破たんしてしまいます。
もっと若い世代にトラック運転手になってほしいとは思いますが、なぜか今の若い世代はトラック運転手に魅力を感じなくなってしまった様です。
それは、
運送会社同士の過当競争による運賃値下げ合戦。
貨物自動車の重大事故増加による改正道路交通法の免許区分増加。
この2点の問題は非常に大きく、
運賃の値下げ合戦によって、トラック運転手の給料計算の多くに採用されている『歩合制』が大きく影響し、トラック運転手の給料はみるみる下がってしまいました。
働けば働くほど給料が高くなるトラック運転手の醍醐味が、運賃の値下げによって半減してしまいました。
また、改正道路交通法による免許区分の増加によって、普通自動車免許で4トン車が運転できなくなりました。
普通自動車免許で運転できるのは、車両総重量3.5トン未満と小さく、ヤマト運輸や佐賀急便などの宅配で使用するトラックも運転できなくなりました。
これまで普通自動車免許で運転できた4トン車を運転するには、中型免許が必要になり、そこまでしてトラック運転手になろうと思う方が少なくなってしまったようです。
さらに、若い世代がトラック運転手に魅力を感じないと考えられているのが、仕事内容のキツさです。
トラック運転手は、運転だけしていれば良いだけの仕事ではなく、積込みや荷下ろしという大事な仕事が必ず付いてきます。
この積込みや積み下ろしが、トラック運転手として働く時の選ぶべきポイントのひとつとなります。
今回は、トラック運転手の仕事内容で最も重点を置くべき、積込みと荷下ろしについてご紹介します。
トラック運転手の仕事内容を見る時は荷物の種類と積込み方法
運送業界の慢性的な人手不足を解消するには、若い世代を取り込むことがとても大切なのですが、その前に今現在トラック運転手として働いている方を、辞めさせない様な努力が会社側、それ以上の運送業界全体に必要です。
トラック運転手が、働いている会社を辞める理由は、ただ単に給料が安いからではなく、拘束時間の長さ、睡眠時間の短さに加え、積込みや荷下ろしが手作業と言う体力的な辛さです。
要は、労働と給料が釣り合わないから辞めるという選択肢になるのです。
トラック運転手は、やっぱりキツくて辛い仕事なのでしょうか。
トラック運転手は運ぶ荷物によってキツさが違う
トラック運転手の仕事は、荷物を積んで、目的地まで、安全、確実、丁寧に運び、荷物を下ろす事です。
その運ぶ荷物によって、トラック運転手のキツさや辛さが大きく変わってきます。
トラック運転手が運ぶ荷物の種類と言えば。
雑貨:日用品、冷蔵、冷凍等、雨に濡れてはいけないモノや、特殊な輸送方法が必要なモノを、バン車やウィング車等、最も良く見るトラックで運びます。
液体:ガソリン、軽油、灯油、重油等の危険物でタンクローリーで運びます。
車両:新車、中古車、たまに事故車をキャリアカーで運びます。
石材:コンクリート製品や、ガーデニング製品をウィング車や平ボディで運びます。
鋼材:長尺ものや幅広な鉄製品等、雨にぬれても大丈夫なモノを平ボディ、雨濡れ厳禁をウィング車で運びます。
木材:林業や製材所等の原木や製材木を平ボディで運びます。
ざっくりですが、大まかにはこんなところです。
この荷物の種類の中で、求人情報が一番多いのは『雑貨』です。
雑貨と一口で掻いていますが、その種類は多くとても書ききれません。
そんな雑貨ですが、積込みのキツさは『最もキツイ』と言われる分野に所属します。
雑貨以外の荷物を見て頂けると分かるかと思いますが、乗せる荷物は液体だったり、石材や鋼材、木材など到底手で持ち上げられるものでは無いので、体力的にキツイ手積み手下ろしが無いと言う事になります。
なので、手積み手下ろしがある雑貨は、一番キツイ分野と言われています。
トラック運転手の仕事で手積み手降ろしは体力勝負
トラック運転手の大切なお仕事のひとつに、積込みと荷下ろしがあります。
その積込みと荷下ろしが手作業であれば、慣れない内は相当辛くてキツイものです。
慣れてもキツイものはキツイままですが、要領が良くなりスピードが上がります。
ただ、全て手積み手下ろしでは有りません。
もちろんフォークリフトでの積込みや荷下ろしもあります。そんな時は楽しましょう。
経験上、全て手作業、または全てフォークリフトという仕事を持った会社もほとんどありません。
大体は、手作業での積込みと荷下ろしが6割、フォークリフトでの積込みや荷下ろしは4割と言った感じです。
この様に、手積み手下ろしが必然のトラック運転手の仕事は、体力が必要になります。
ただし、2トン車や4トン車クラスでは手積み手下ろしだったとしても体力は必要ありません。
体力を必要とするトラック運転手は、10トン車クラス、大型トラック運転手です。
理由は簡単、大型トラックは荷台が大きく、それだけ多く荷物を詰めるからですね。
ここまで、トラック運転手の手積み手降ろしはキツくて辛いと散々言いましたが、近年は人手不足解消の為か、できる限り手作業を削減しようとしているようです。
トラック運転手の人手不足は仕事内容に改善の変化を与えている
運送業界の慢性化している人手不足は、トラック運転手の仕事内容に良い影響を与えているようです。
トラック運転手の平均年齢の高齢化、若い世代の車離れ、ブラック企業の多さ等、様々な影響のある中、このままでは運送業界の破たんを迎えてしまうとの考えから、ガテン系の職業と言われてきた運送業界が、女性の雇用促進に力を入れています。
女性の雇用を促進するためには、体力的にキツイものは除外です、手積み手下ろしは出来るだけ避けたい。
さらに、職場環境の改善、女性が働きやすい会社に変化しているようです。
この様な状況から、運送業界はこれからもっと人手不足解消の為に、様々な改善策を打ってくるはずです。
となると、トラック運転手としての労働環境も明るい兆しが見えてくるかも知れませんね。
トラック運転手に向いている人は、トラックが好きな人、運転が好きな人、1人が好きな人と言った方です。
ぜひ、迷っているなら一歩踏み出してみましょう!やってみたら面白い事はたくさんありますよ。
最後に
トラック運転手と言う仕事は、決して楽では有りません。
それでも、トラックに興味がある方は迷わずチャレンジしてください。
トラックの運転が未経験でも恐れる事はありません。誰しも未経験からのスタートです。
ただし、迷って迷って歳を重ねると、少しずつハードルが高くなります。チャレンジは早めの行動が絶対条件です。
特におススメは、大型トラック運転手です。大型免許を取得していなくても取得を補助してくれる運送会社があります。
そういう余裕のある会社を選ぶことはとても大切です。できれば大型免許は取得しておく方が即戦力になれて良いのですが。
もっと欲を言うなら、けん引免許やフォークリフト免許なんかもあるとさらに有利です。
しかし、持っていないものは仕方ない、まずは経験を積むことが大切ですので、仕事の内容や会社の雰囲気に気を付けながら運送会社選びをしてみましょう。
そして、気に入った運送会社を見つけたら、是が非でも採用してもらいましょう。
採用してもらうには、経験が無い場合はかなり不利ですので、長く働きたい気持ちを前面に出し、大人の対応で面接に挑みましょう。