小さな運送会社の元専務がトラック業界を謎解き

運送会社を色々見てきて、トラックも色々乗ってきました。4トンから始まり、大型トラック、大型トレーラーのお仕事もやってきて、それにも飽き足らず小さな運送会社を起業しました。そんな小さな運送会社の元専務が運送業界の疑問や就職、転職に役立つ情報をお届けします。

大型トラック運転手の給料は年収約400万を境に分かれる!?

大型トラック運転手って給料が良いイメージがあります。

 

もし、今仕事が無く就職先を探している最中の方であれば、年収約400万はとても魅力的な金額ですね。

しかし、今一部上場企業のサラリーマンの方が、転職先として年収約400万を見つけた時どう感じるでしょう。

 

ん~しかし、誰が最初に大型トラック運転手の給料が高いと言い出したのか。

その方が給料の低い仕事をしていたら大型トラック運転手の給料は魅力的に感じると思いますが、そこそこの給料をもらっていたら魅力的に感じず、大型トラック運転手の給料は高いというイメージもつかなかったと思います。

 

転職先の選択肢として、給料はもっとも重要視するべき項目のひとつです。

大型トラック運転手の平均年収は約400万円と言われていますが、これはいわゆる平均です。

 

この平均年収400万円は、仕事内容によって上下に100万円は軽く変動します。

なので、400万円という金額だけをあてにして大型トラック運転手に転職してしまうと、後悔してしまうかも知れません。

 

そこで、大型トラック運転手として平均年収約400万円を稼ぐ方法と、そこから上下100万円するかもしれない年収差異の理由について詳しくご説明したいと思います。

 

後悔先に立たずです。

現在の給料と比べて、400万円が低いと感じて転職をあっさり諦めてしまってももったいないかもしれませんし、高いと感じて慌てて転職してがっかりしてしまうかも知れません。

 

どちらに転ぶかは大型トラック運転手として運ぶ荷物の種類やそれに伴うトラックの形が最初の選択肢です。

 

大型トラック運転手として運ぶ荷物で給料計算方法が違う

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大型トラック運転手と一口に言ってもその種類は様々です。

まずは、どんなトラックが何を運び、どんな仕事内容なのかを知る事から始めましょう。

 

ダンプカー

主に、砂や砂利を運搬する事を目的としたトラックです。

その他に、アスファルト、コンクリートクラッシャランなど道路工事に使用するものや、残土やコンクリートガラなど解体工事で出るものを運ぶ事を目的としています。

 

ダンプカーの仕事内容は、採石場や採掘場主に山の中で砂や砂利を積込み、道路建設や建物建設、護岸工事など公共事業と言われるような工事現場に配達する事が多くあります。

また、解体工事の仕事も多く、そこで出るコンクリートや残土をコンクリートを再利用する工場に運んだり、山の決められた場所へ残土を運んだりする事もあります。

 

ダンプカーの荷物の積込みは、全て建設機械(ショベルカーやホイールローダー)で行います。

さらに、荷物の積み下ろしはPTOスイッチをONにする事によって荷台が跳ね上がりダンプ(Dump、意味=投げ下ろす)されます。

この様にダンプカーの運転手は運ぶ荷物を手作業で扱う事はありませんので、力作業というものは一切発生しません。

 

 

平ボディ

主に、これを運びますという定義はありません。

雨にぬれても大丈夫なもの、背が高いもの、幅が広いものなどその種類は様々です。

特に多く見られるのは、木材、石材、鉄製品といったところです。

 

平ボディの仕事内容は、工事現場への資材運搬、製材製品や鉄製品の運搬などを工場から各現場へ運搬する事が多いです。

運ぶ荷物が人の力で持てる重量ではない事が多いため、積込みはフォークリフトやクレーンなどの機械を利用する事がほとんどです。

また、荷下ろしに関しては、現場で建設機械やラフタークレーンでの荷下ろしがほとんどなので、手作業での力仕事はほとんどありません。

 

 

箱車・ウィング車

主に、荷台に乗るものなら何でも運びます。

求人情報に最も多いのが雑貨です。

特に、インターネットショッピングで購入されたものを各都道府県の物流センター間を運ぶお仕事が多く見られます。

その他には、色々なメーカーさんが販売している製品、例えば電化製品や食品等も各都道府県の物流センター間を運ぶお仕事があります。

 

箱車やウィング車の仕事内容は、物流センターで荷物を積込み、近距離、中距離、長距離とその走行距離は様々ですが、目的地もやはり物流センターである事が多く、荷物の種類も形も大きさも重さも様々です。

ポイントなるのは荷物の積込みや荷下ろしで、全てがフォークリフトの様な機械で積み下ろしをするのではなく、手作業での積み下ろしも多く存在します。

 

 

 

今回ご紹介するのはこの3種類のトラックですが、求人募集では多く取り上げられている種類ですので、覚えておくことをおススメします。

 

 

この3種類のトラックを覚えておくと、年収400万の境目と上下100万の仕事内容の違いが分かります。

 

 

トラックの種類と給料計算方法は同じ

 

トラックの種類で給料の計算方法はある程度の運送会社は同じ計算方法をとっています。

 

日給

日給とは1日働いたら10,000円といった給料計算方法です。

特にこの日給計算方法をとっているのが多いのは、ダンプカー、ミキサー車、タンクローリー等の専門車両です。

ある決まった製品を運ぶために作られたトラックなので、その製品以外を運ぶ事は難しく、時には運ぶ荷物をが無い場合があります。

 

運ぶ荷物が無いと働く事ができませんので、その日の日給は0円です。

また、建設現場や工事現場などの場合は、雨天中止となる現場も多くあります。

その場合も運ぶ荷物が無くなりますので、日給は0円です。

 

日給計算の場合、会社都合での休み、個人都合での休みも給料が発生しないという点が少々問題です。

安定しない給料は生活も安定しない可能性がありますので、家族を養っていかなくてはいけない方は、ダンプカー専門の運送会社を選ぶ時は、自社の製品を運んでいる運送会社を選ぶようにしてください。

 

自社の製品を運ぶ事ができれば、現場都合での休みなどは自社の荷物を運べば良いので問題になりません。

 

この様な日給計算の場合、労働基準法に違反して、1ヶ月間休みなく働いてやっと月収30万、それを12ヶ月やり遂げて年収360万です。

さすがにそれだけ働ける方はいないと思いますので、平均年収400万は程遠いでしょう。

 

 

月給

月給とは基本給+その他手当になりますので、手取りではありません。

月給計算方法をとっているのが多いのは、平ボディや箱車やウイング車の中でも近距離や中距離の定期便です。

定期便は毎日決まった場所で荷物を積込み、毎日決まった場所へ荷物を届けるお仕事です。

 

この定期便の場合、基本的に自社が月にもらう運賃が決まっているので、荷物の量が多くても少なくても必ず毎日運ぶ必要が有ります。

トラック運転手としては荷物が少ない方が楽なので良いのですが、運賃を払う側からすれば少しでも多くの荷物を運んでほしい所なので、荷物待ちの時間が長くなったり、出発や到着の時間が遅くなることは多くあります。

 

また、月給の場合は手取りでは無いため、そこから各種税金が引かれ手元に残るのはそんなに多くない事もあります。

ですので、月給35万円と求人募集にあったとしても、手取りに換算すると30万円になるとすると、それを12ヵ月間で計算すると360万円、月給の場合、残業やボーナスなどがある所が多いので、月収にすると33万円位あることが考えられます。

 月収33万円あると年収400万円にかなり近づきますので、平ボディや箱車の近中距離運送が平均年収と言えます。

 

 

歩合給

歩合給とは、稼いげば稼ぐほど多く加算されていく給料計算方法です。

この歩合給計算方法をとっているのが多いのは、箱車やウィング車の長距離運送です。

長距離運送は、その名の通り長い距離を走り荷物を届けます。

 

例えば、東京都と大阪府また東京都と福岡県といった距離を走行し、その距離1,000kmを超える事も多くあります。

長距離運送は、その運賃が高額なのでトラックの荷台に満載(最大積載量未満)し、少しでも多くの荷物を運ぶ事になります。

また、長距離運送は片道ではなく、帰り荷も必要ですので、もし帰り荷がとれていない場合はそこで長時間待機する事になります。

 

長距離トラック運転手は、1度出発すると3日4日家に帰れない事も多く、慣れない内は相当体に負担がきます。

 

しかし、トラック運転手の仕事の中で、最も稼ぐことができるのが、長距離トラック運転手の歩合給です。

歩合給には必ずと言って良い程、月給(基本給)が付いていて月給が少なくても歩合給で補えると言った求人情報を多く見かけます。

 

歩合給の計算方法の例は、長距離運送の運賃の3割が歩合給として支給されると言った感じの計算方法です。

月給が15万円位でも歩合給で35万円稼ぐことができれば月給50万円です。

 

それを12ヶ月間で計算すると600万円ですが、月給ではなく月収に換算する必要がありますので少し少な目になると考えられますが、それでも500万円は軽く超えてくるでしょう。

 

 

 

この様に、トラックの種類、仕事内容、給料計算をトータルで考えると、年収400万円もらえない場合と、年収400万円付近をもらえる場合と、年収400万円を軽く超えてくる場合があるというのが納得して頂けたでしょうか?

 

この条件を頭の片隅に入れ、ご自分のライフスタイルに合わせて、トラック運転手としての転職先を求人情報で探してはいかがでしょう。

 

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最後に

仕事はキツイものだ!と思って仕事をしている方も居れば、いかに楽に仕事をするかといつも考えている方、その仕事に見合った給料をもらっていない方が多くいるのも現実です。

 

その給料に不満があるなら間違いなく歩合給の給料計算方式を取り入れている運送会社を選択しましょう。

もし面接を受ける機会や電話で質問する事ができる場合は、歩合給の割合を確認しておきましょう。

2割はムリ、3割ならOK、4割なら喜んで!この位を目安に確認してみて下さい。

 

大型トラックで長距離運転手を目指して年収400万円を超えて行きましょう!