大きなビルの建設現場で良く見かけるショベルカーはどのようにしてその建設現場に来たのでしょう?
ほとんどの方がご存知とは思いますが、ショベルカーなどの建設機械はゴムのタイヤではなく、キャタピラの場合が多いですね。
そんなキャタピラで一般道路を走ってきたら、通過後のアスファルトはボロボロです。
なので、そんなキャタピラを履いた建設機械を建設現場まで運ぶ必要があります。
それが重量物運搬トレーラー、略して「重トレ」のお仕事です。
もちろんトレーラーではなく、大型トラックで建設機械を運ぶ事もあります。
ただ大型トラックでは、最大積載量が小さくそこそこ大きな建設機械は運ぶ事ができません。
だから重トレでの建設機械運搬が一般的と考えられています。
そもそも建設機械とは、どんなものがあるのでしょう。
日本キャタピラー社のサイトが一目瞭然です。
簡単に言うと、重トレは建設機械の様な重量物を運搬する為のトレーラーという事になります。
しかし、重量物は建設機械だけではなく、コンクリート製品、原木、鉄製品の様なものでもかなりの重楼物は存在します。
そこら辺すべて含めた重量物ですので、重トレで運ぶものは建設機械だけではないと知っておいてください。
ただ、運送業界が未経験の方や、トラック運転手という職種の事をあまり詳しくない方にとっては、重トレがどんなものかも分からないと思いますので、街中で走行中のトレーラーを重トレとして判断しやすい建設機械の運搬でご紹介しています。
まず、建設機械がどんなものかはご理解頂けたと思います。
次に、トレーラーとはどんなものかと言う事ですが、トレーラーには「フルトレーラー」と「セミトレーラー」があります。
上段:セミトレーラー
トラクタ(ヘッド)の連結器(カプラ)にトレーラー(荷台)の連結器(キングピン)を接続するタイプ。
最も多く走行しているのはこのタイプで、トレーラー運転手の求人募集でもこのタイプが最も多い。
下段:フルトレーラー
通常の大型トラックサイズの車両に、さらに少し短めの荷台を接続するタイプ。
多くは、大手宅配業に用いられていて最近では、トレーラー部分の荷台の長さが通常の大型トラックサイズのものを使用する宅配業社も現れている。
この2種類意外に、ポールトレーラーと言われる荷台が積載する物によって長さを変えられるトレーラーもあります。
そして、重トレと言うと、セミトレーラーのトラクタ(ヘッド)の後軸が2軸になっているものが重量物運搬トレーラーと言われます。
この運転技術を見てしまうと少々怖気づいてしまうかもしれません。
【重トレ】重機トレーラー バック 縦列的な( ̄▽ ̄)299 16輪
この運転技術が習得できるのは、常に狭い現場をバックで走行し熟練度を上げたまさに経験値が全てです。
確かに、初めから運転が上手い方はいますが、トレーラーは別物と考えて下さい。
中型トラックや大型トラックの運転は、横幅や車長、背高など全てにおいて普通自動車とは比べ物になりません。
しかし、運転が上手な方はすぐに慣れ、あまり上手くない方でも1週間もすれば慣れます。
慣れたと言っても道幅、交通量、天候によってさまざまな困難が待ち受けているのは忘れないでください。
大型トラックになると運ぶ荷物によって荷台の形が変わり、それぞれのトラックの特徴があり、それぞれのトラックに必要な運転技術がある事も忘れない様にしてください。
そしてそれ以上に運転技術が必要なのがトレーラーです。
そのトレーラーの中で基本的に特殊な仕事場が多く、重量物運搬を主にするトレーラー運転手になる為に必要な免許や資格を紹介します。
重トレ運転手になるには免許と資格と重機運搬専門かダンプ会社
重量物運搬トレーラー(重トレ)の運転手になろうと考えている方で、運送業界未経験の場合どうやっても難しいです。
しかし、難しいからと言ってあきらめる事はありません。
まず、必要な免許と資格を取得してチャンスの到来を待ちましょう。
運転免許で必要なのは、大型自動車一種免許とけん引免許です。
まだ、21歳に満たない方や普通自動車免許を取得して3年に満たない方は大型免許の取得条件に達していません。
良く先に中型免許を取得してから大型免許を取得する方も居るようですが、中型免許はあまり意味がありません。
大型トラックや大型トレーラーの運転手になる気の無い方は中型免許を取得しても良いですが、大型を目指す方に中型免許は時間とお金の無駄になってしまいます。
大型免許取得の条件に満たないのであれば、条件に達するまで待つか、先にけん引免許を取得しても良いですよ。
けん引免許の取得条件
- 年齢:18歳以上
- 視力:両目で0.8以上(片目0.5以上)
- 色彩識別能力:赤・青・黄色
- 深視力:2.5mで3回検査、その平均誤差が2cm以下
- 聴力:10mの距離で90デシベルの警音器の音が識別できる
けん引免許の取得条件をクリアしているなら先に取得するという選択もありですね。
取得方法は、一発試験、教習所、合宿とあります。
一発試験は1回6,100円(受験料2,600円、試験車使用料1,450円、免許証交付料2,050円)とかなり割安感がありますが、一発と言っても本当に一発で合格できる方はほとんどいません。
実際には一発試験に挑戦して、10回を超えたあたりで諦めて教習所へ通う方も少なくありません。
と考えると、最初から教習所や合宿を選択した方が良いかもしれません。
ちなみに、教習所や合宿の費用は地域によって違いがありますが約12万円位の様です。
12万円位でけん引免許を取得できるなら安いものです。
そして、大型自動車一種免許、けん引免許と取得すると同時に取得しておいてほしいのが、車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習の修了証です。
何ソレ?という方は以下のコマツさんのサイトが分かり易いです。
車両系建設機械の技能講習は、所有している資格や経験が無ければ最大38時間かかります。
ただ、大型特殊免許を取得していると14時間になるというポイントを見逃さない様にしましょう。
もし、大型特殊免許を取得していないなら、まず、大型特殊免許の取得をおススメします。
大型特殊免許の取得は、一発試験か教習所があります。
一発試験は、車両持込みの場合があるので各試験場に確認が必要です。
教習所は、2段階で各3時間の計6時間の技能教習と卒業検定で終了で費用は約10万円位です。
重トレ運転手として最低限必要な免許や資格は以上です。
その他は、就職や転職をした後に取得しても問題ないと思います。
どこに就職や転職したらいい?
まず探すなら重機運搬を専門に行っている運送会社が良いです。
専門なので重機運搬の現場や、重機の扱いになれるにはもってこいの会社です。
さらに、重機運搬専門の運送会社にはほとんど重量物運搬用のトレーラーがありますので、経験させてもらえるチャンスは少なからずあります。
そして、もう一つがダンプと重トレを所有している建設会社さんが良いです。
とりあえずダンプの運転手として働きながら、重トレ運転手の空きを待つ事ができます。
一応お伝えしておかなければならないのが、どちらの会社も離職者は少ないです。
特に重トレ運転手は、何かしらの不満が無い限り会社を辞めたり、トレーラーを下りたりしないのが特徴的です。
仕事自体は、朝一番に重機を運び入れ、夕方一番最後に重機を持ち帰るという感じで拘束時間は長いです。
ただ、手積み手下ろしの様な力仕事が無く運転技術が備わっていればやっていける仕事です。
重トレが好きで、給料が見合う場合はみなさん定年までしっかり働いているようです。
そんな根強い人気の重トレ運転手を目指してみましょう。
求人募集もかなり少ないので、もし見つけたら即刻応募してみましょう。
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最後に
運送業界未経験の方、大型トラック運転手未経験の方がトレーラー運転手になるには運転技術の向上と運が必要です。
重トレ運転手にはさらに建設機械の運転方法も知らなければなりません。
建設機械には、パワーショベル、ブルドーザー、ホールローダーなどがありますが、それぞれ操作が微妙に違いますし、販売メーカーによっても違います。
実際に重トレに乗り建設機械を運ぶ事になれば、必ず熟練者が教えてくれますが、基礎的な事は知っておくべきです。
それぞれ免許や資格を取得する時に、建設機械の操作は覚えるとは思いますが、意外とトレーラー自体の事が分かってないかもしれませんよ。
トレーラーは運転技術は絶対必要ですが、機能や性能もちょっとだけ勉強しておきましょう。