これから運送業界への就職や転職を考えている方で、大型トレーラーをいつかは運転してみたいと思っている方も少なくないと思います。
トラック自体運転したことが無い未経験者の方でも、免許さえあればその腕一本であの大きなトラックを運転する事ができます。
そのために必要なのは、大型自動車一種免許とけん引免許だと言う事はほとんどの方がご存知の事でしょう。
一応、まったくご存じない方へご説明しておきます。
大型自動車一種免許(以下、大型免許)を取得する為にはある程度の条件をクリアする必要があります。
大型自動車一種免許取得条件
〇年齢
満21歳以上
〇免許
普通免許、準中型免許、中型免許、大型特殊免許を取得した期間が通算して3年以上
〇視力
両眼で0.8以上、かつ、1眼で、それぞれ0.5以上
〇色彩識別能力
赤色、青色、黄色の識別が可能
〇深視力
三桿法の奥行知覚検査器により、2.5メートルの距離で3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下
〇聴力
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる(補聴器OK)
もちろん、けん引免許取得にもクリアする条件があります。
けん引免許取得条件
〇年齢
満18歳以上
〇視力
両眼で0.8以上、かつ、1眼で、それぞれ0.5以上
〇色彩識別能力
赤色、青色、黄色の識別が可能
〇深視力
三桿法の奥行知覚検査器により、2.5メートルの距離で3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下
〇聴力
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる(補聴器OK)
ムムッ!何かおかしい!と思った方は鋭いですね。
大型免許とけん引免許はどちらとも取得するためにはある一定の条件をクリアする必要がありますが、どちらかと言うと大型免許の方が厳しい条件なのです。
もし、運送業界へ就職や転職をしようと考えている方で、免許を取得して3年経過していないか21歳になっていないなら、まずはけん引免許から取得してみてはいかがでしょう。
もちろんけん引免許を取得するためには、お金も時間もかかりますが、大型免許の取得条件クリアまで時間があるなら取得するべきです。
大型免許取得できないなら、中型免許か準中型免許を取得しようかなと考えているなら一応お伝えします。
もったいない!
中型免許を取得しても大型免許を取得しても同じお金と時間を要します。
なのに、中型免許を取得しても大型トラックを運転する事はできません。
早くトラックを運転したいから中型トラックでも良いという方も居るでしょう。
しかし、運送業界で働き続けるなら、中型免許だけで生活するのはちょっと厳しいかもしれませんよ。
もし、宅配を専門とする会社に行きたいのであれば中型免許で十分ですが、目指すはトレーラーではありませんか?
であれば、大型免許を取得できるようになるまでに、運送業界で必要な免許や資格を取りまくったらいいんです!
- けん引免許
- 大型特殊免許
- フォークリフト技能運転技能講習
- 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)
- 危険物乙種4類
- 高圧ガス移動監視者
- 運行管理者(難易度:高)
コレだけの免許や資格を取得しておけば、トラック運転手として困る事は無いでしょう。
ある程度の年齢を重ねたらトラックを下りて事務所での仕事を目指すなら、運行管理者は取得しておくと有利ですね。
さて、大型免許を取得する準備も万端で、取得条件もクリアしたら早速大型免許を取得しましょう。
全ての準備が整ったら探し当てるべき運送会社をあせらずじっくり探しましょう。
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トレーラー運転手は未経験でも1軸と2軸の違いは知っておこう!
トレーラーには大きく分けて、セミトレーラーとフルトレーラーの2種類(ポールを入れると3種類)があります。
今回は、セミトレーラーの車軸をご紹介しますので、フルトレーラーのお話はありません。
ちなみに、セミとフルの違いはコチラの記事を参考にしてください。
で、セミトレーラーのトラクタ(ヘッド部分)には、後輪が1軸と2軸があります。
一般的な呼び名は、1軸がワンデフ、2軸をツーデフという場合があります。
その他の呼び名は、1軸がシングル、2軸を重トレという場合もあります。
どれも正解です。
呼び名は気にせず、その使い道をしっかり覚えておきましょう。
1軸(ワンデフ、シングル)は、高速トラクタですので長距離移動や高速道路移動に向いています。
ですので、トレーラーを持つ多くの運送会社が使用しています。
- 海上コンテナ
- ウィング車
- キャリアカー
ここら辺が良く見かけるセミトレーラーの1軸(ワンデフ、シングル)ですね。
2軸(ツーデフ)は、重量トラクタですので重量物を運搬するのに適しています。
ですので、長距離移動や高速道路移動にはあまり向いていません。
こちらのトレーラーを使用する運送会社は以下の様な場面です。
- 車両系建設機械(ショベルカー、ブルドーザー他)
- 砂、砂利、産業廃棄物
- 原木、鉄、コンクリート製品
少々例が挙げにくいですが、いわゆる重量物です。
トレーラー運転手としてで知っておくべきリフトアクスルとは
セミトレーラーのトラクタ(ヘッド)軸数が違う事で運ぶ荷物が変わってくると言う事はご理解頂けたと思います。
では、けん引するトレーラー部分のことで多くの方がご存じないのが「リフトアクスル機能」です。
運送業界に縁もゆかりも無い方にとって、トラックの有料道路料金なんて気にしたことないと思います。
しかし、運送会社にとって有料道路は長距離運送に関わらず、中距離運送や近距離運送でも利用しなくてはいけない道路です。
そして、運転手にとっても早く目的地に着きたい時に利用してしまう道路です。
そんな時にもっとも気になるのが「通行料金」です。
この通行料金に大きくかかわるのが、リフトアクスルという便利な機能です。
リフトアスクル機能とは、セミトレーラーのトレーラー部分にある2軸の前軸の1軸(3軸は前中2軸)をリフトアップする機能です。
これは、トレーラーが積んでいる荷物の重さによって自動制御されているので、荷物を積んでいる時はリフトアップせず全軸しっかり地面に設置しています。
荷主さんへ荷物を届け、荷下ろし(デバン)した後、トレーラーの荷重が軽くなったら初めて後輪1軸を残しその他の軸がリフトアップされます。
このリフトアクスルによって最も有効なのは、タイヤが長持ちすると言う事です。
もちろんそれだけではありません。
有料道路のお話でしたので、リフトアクスルによって有料道路の通行料金が安くなると言う事も知っておかなければいけません。
特に、高速道路でのセミトレーラーの扱いは大型車の上の「特大車」です。
普通自動車でも長距離走行すると高速道路の料金は予想を超え高額になる事もしばしば、大型車になると普通車と同じ距離を走行しても1.5倍は高い金額がかかります。
さらに、特大車は大型車より1.5倍高い金額がかかります。
それは、荷物を積んで運賃をもらって走っても、荷物を下ろし空の状態で走っても同じ料金がかかります。
なぜなら、高速道路の料金はETCゲートを抜ける直前に通過する車軸を数え料金を算出する仕組みを使っているためです。
ここまで来ると何となく分かるかと思いますが、空の状態になると自動的にトレーラーの軸数を1軸にする機能があると、ETCを通過する時に特大車ではなく、大型車として料金が算出されます。
これがリフトアクスル機能が活躍する場面と言っても過言ではないでしょう。
良く勘違いされますが、これはETCの不正通行による違反ではありません。
この説明を分かり易く図解しているのが阪神高速道路株式会社 ドライバーズサイトです。
リフトアクスルの事を理解したところで、トレーラー運転手の求人募集を見てみましょう。
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未経験者が初めからトレーラー運転手になる事は出来ないと思いますが、トレーラー運転手と大型トラック運転手を募集している運送会社であれば、大型トラック運転手からのステップアップが見込めると思います。
最後に
大型トラック運転手になって経験値を上げ、無事故無違反を徹底していればトレーラーを持つ会社であればトレーラー運転手になれるチャンスは必ずあるはずです。
そのためには、経験値のアップと運転技術のアップ、それと真面目さは必須です。
そうすれば、会社からの信用度は自然とアップしていきますので、トレーラー運転手に空きが出ればチャンスですね。
チャンスさえあれば、会社からの信用度が最優先です。
忘れてはいけないので最後にひとこと、面接の際はトレーラー運転手になれる可能性があるかどうかはハッキリさせておきましょう。